ロヴァニエミからヘルシンキへの長距離移動。
飛行機であっという間に移動するのも良いですが、旅情たっぷりの夜行列車「サンタクロース・エキスプレス」に挑戦してみませんか?
「狭くて眠れないのでは?」
「シャワーやトイレの使い勝手は?」
このかそんな不安を解消するために、実際に「シャワー付き個室(2階)」に乗車して検証しました!
記事の後半では、スーツケースの置き場所に関する裏技や予約前に知っておきたい注意点もまとめています。
移動と宿泊を同時に叶える「動くホテル」のリアルな乗車記を、包み隠さずレポートします!
今回のフィンランド旅行の全スケジュールは、以下の記事をご覧ください。
これから準備される方は、ぜひ参考にしてくださいね。


列車旅のスタートはロヴァニエミ駅から!


サンタクロース村観光を終え、いよいよ寝台列車でヘルシンキへ向かいます。
出発地点となるのは、ラップランドの玄関口「ロヴァニエミ駅」です。
世界中から観光客が集まるため、大きなターミナルを想像していました。
しかし実際は、意外なほどコンパクト。



雪景色に馴染む、とても素朴な駅でした。
これから利用される方のために、駅のリアルな様子をレポートします。
ちなみに、乗車前に立ち寄った「サンタクロース村」やロヴァニエミで滞在した「ファームステイ」については、こちらの記事で詳しくレポートしています。




駅までの道のりは「坂」に注意!
まず駅に向かう際に気をつけてほしいのが、駅周辺の地形です。
ロヴァニエミの街中心部から駅へと続く道は、緩やかな坂道になっています。
街 → 駅: 下り坂
駅 → 街: 上り坂
今回は駅へ向かう「下り」の移動でしたが、この日はあいにくの大雪。
深く積もった雪にキャスターが埋もれてしまい、スーツケースはまったく転がりません。


荷物はパートナーが持ってくれていたのですが、雪道をソリのように引きずりながらの移動で、下り坂とはいえかなり大変そうでした。



さらに道中、ちょうど駅に到着した人たちともすれ違ったのですが、本当に過酷そうでした。
みんな長期旅行用の大きなスーツケースを持っていたのですが、雪の積もった上り坂を必死に登っていて…。
冬場、特に荷物が多い場合は、無理せずタクシーを利用することを強くおすすめします。
雪の中の無人駅と混雑状況
17時ごろに駅に到着したのですが、駅舎の中はすでに観光客でごった返していました。
待合スペースも一応あるのですが、すでに満席状態。
座る場所どころか、立っているスペースを探すのも一苦労なほど、人で溢れかえっています。


また、駅構内に日本のような改札口や駅員のいる窓口は見当たりません。
見かけたスタッフといえば、レンタカー会社の受付の方くらい。
困ったことがあってもすぐに聞ける環境ではないため、基本的には「無人駅」のような感覚で利用するものだと思っておいた方が良さそうです。
ホームへの行き来は自由!乗車は出発30分前から
フィンランドの鉄道(VR)には「改札機」がありません。
チケットを持っていなくてもホームへは自由に出入りできるため、お見送りの人も列車の目の前まで行くことができます。


この日は17時頃にはすでに列車が入線していましたが、ドアは閉ざされたままでした。
実際にドアが開いて乗車可能になったのは、出発の約30分前(17:20頃)からです。


私たちは少し早めにホームへ出て、雪の中に佇むサンタクロース・エキスプレスの写真を撮りながら乗車の時間を待ちました。
いよいよ列車に乗車!お部屋と設備を紹介!


今回私たちが予約したのは、列車2階にある「シャワー付き個室寝台」です。
キャビン定員:1~2名
室内面積:4.2㎡
設備:専用トイレ、シャワー、ベッド2台(200 x 75cm)、バスタオル2枚、バッテリー充電用ソケット、ヘアドライヤー/シェーバー用ソケット、ミネラルウォーターのペットボトル1本
ドライヤーなし
実際に泊まってみて分かった部屋の広さや設備、そして今回利用することになった「ちょっと珍しいお部屋」の様子を詳しくご紹介します。
今回の部屋は「ペット対応ルーム」
今回宿泊したのは、なんと「ペット同伴可能」なお部屋。


サンタクロース・エキスプレス予約時にはもうこの部屋しか空いておらず、選択の余地なくここになりました(笑)。
正直、最初は「動物の匂いが残っていたらどうしよう…」と不安でした。
しかし、中に入ってびっくり。匂いはまったくなく、非常に清潔です!
人間用のアメニティはもちろん、ペット用のタオルやお皿、ミネラルウォーターまで完備!



普段は見られないレアな備品に、むしろちょっと得した気分になれました。
部屋の広さや作り自体は、パッと見た感じでは通常の個室と変わらないようです。
さらに、この部屋にはもう一つ「思わぬメリット」がありました。
部屋が2階へ上がる階段のすぐ脇に位置していたため、重い荷物を持っての移動が最小限で済んだのです。
結果として、とても快適で「あたり」の部屋だったと思います。
室内の設備とベッドの寝心地
部屋の窓際には、小さなテーブルと折りたたみ式の椅子があります。


さらに壁には、スキー板などを固定するためのストラップも設置されていました。





さすが、ウィンタースポーツが盛んなフィンランドの列車ですね。
ドア付近には温度調節のパネルもあり、自分好みの室温に設定できるのも嬉しいポイント。
部屋のメインとなるベッドは、上下2段のバンクベッドタイプです。
枕元にはコンセントとアラーム時計、そしてイヤホンジャックがありました(音楽が聴けるのかは試していないので不明ですが…)。


サイドにはネット状の収納ポケットがあり、食堂車のメニューなどが収納されています。
肝心の寝心地ですが、布団も枕も案外ふかふか!
ベッド幅もシングルサイズ程度確保されているので、寝返りも打てますし、窮屈さを感じることなくしっかりと体を伸ばすことができました。



私はもともと眠りが浅い方なので、何度か目は覚めてしまいました。
それでも「動く列車の中」としては、かなりしっかり眠れた方だと思います。
忍者屋敷のようなバスルーム
この部屋の最大の特徴は、トイレ・シャワールームの構造です。
一見すると、小さなトイレと洗面台があるだけに見えるのですが、このスペースが驚くほど機能的。
トイレ横にはハンドシャワー(ビデ)もしっかり完備されていました。


そして驚くべきは、その構造です。
なんと、洗面台が付いている壁が可動式の本棚のように動き、壁をグイッと動かすとトイレが隠れてシャワースペースが出現するんです!
まさに「忍者屋敷」のようなからくり構造で、限られたスペースを有効活用するアイデアに感動しました。



ただ、正直に言うとシャワーは使いませんでした。
中は人ひとりがギリギリ立てるくらい狭くて少し暗いスペース。
何よりここでシャワーを浴びるとバスルーム全体がビチョビショになってしまうのが目に見えていたので…
荷物の収納テクニック
寝台列車で一番の悩みどころである「荷物」ですが、今回は2つのスペースを駆使して快適に過ごせました。
① ベッド足元サイドの巨大スペース
ベッドの足元奥(壁側)に、ぽっかりと大きな空間がありました。


ペット用のケージを置くためのスペースなのかもしれません(他の部屋にあるかは不明です)。



ここが収納として非常に優秀でした。
手持ちのリュックサックや脱いだ上着、そして雪で濡れた靴などを全部ここに放り込むことができました。
② シャワールームを「クローゼット」化
そして最大の裏技は、先ほどの「可動式トイレ・シャワー室」にスーツケースを入れてしまうこと!
私たちは車内でシャワーを使わなかったので、このスペースを「スーツケース置き場」として活用しました。


ここに大きな荷物を置けたおかげで、居住スペースには何もない状態をキープでき、驚くほど快適に過ごせました。
車内での過ごし方と車窓


部屋に荷物を置いて一息ついていると、列車が静かに動き出しました。
約12時間の長旅ですがほとんどの時間はベッドで過ごしたので、体感としてはあっという間でした。
ここでは、食事や車内探検など起きていた時間の車内の様子をお届けします。
出発して30分、部屋に検札が来た
発車して30分ほど経った頃、部屋のドアがノックされ車掌さんが検札に来ました。
検札では、予約した時のスマホ画面を見せるだけでOKです。


部屋まで来てくれるのでわざわざこちらから出向く必要もなく、とてもスムーズ。
ちなみに、車掌さんと顔を合わせたのはこの一回きりでした。
夕食はスーパーのお惣菜で
夕食は、乗車前に地元のスーパーでお惣菜やパンを購入して持ち込みました。




お部屋が狭いので物の置き場には困りましたが、プライベートな個室で流れる景色を見ながら現地の食材を食べるのも、旅情があっておすすめです。
共用スペースの探検
お腹も満たされ落ち着いたところで、車内の探検に出かけました。
個室以外にも、乗客が自由に使える設備が充実しています。
食堂車(営業時間:04:00~26:00)
まずは食堂車へ。
営業時間は04:00~26:00(深夜2時)とかなり長く開いています。
木目調の温かみのある内装で、車両の中央にキオスクのようなカウンターがあり、そこで商品を注文・受け取りをするスタイルです。


座席は、キオスクを挟んで半分が「カウンター席と立ち飲みスペース」、反対側が「4人掛けのソファーテーブル席」に分かれていました。
メニューはホットミールだけでなく、パンやヨーグルト、スナック、ジュースなども売られており、軽食の調達にも困りません。


とても居心地が良さそうでしたが、出発直後ですでに満席に近い状態! かなりの人気ぶりでした。
ベビーカーや自転車を固定できるスペース
車両の移動中に、一両まるまる「ベビーカーや自転車を固定できる広いスペース」になっている場所を見つけました。





ここには大きな荷物を置くスペースもありました。
個室に入りきらないほど大きなスーツケースがある場合は、ここに荷物を置いておくのも一つの手。
その場合は、チェーンロックなどを持参するといいかもしれません。
バリアフリートイレ
そして、ぜひ見てほしいのが1階にあるバリアフリー対応の共用トイレです。
中に入ってドアを閉めると、壁一面が「白樺の森」のデザインになっているんです!





用がなくても一度覗いてみる価値ありです。
個室内のトイレはシンプルな内装でしたが、バリアフリートイレでこんなにオシャレなフィンランドデザインに出会えるとは驚きでした。
座席(オープンサロン)
日本の特急や新幹線のような座席タイプです。


一番安く済みますが、12時間の夜間移動でこれを選ぶのはしんどいかも。
ただ、この席を使用している乗客は少ないので、運が良ければ隣の座席も利用して少し体を伸ばせるかもしれません。
夜の雰囲気
廊下や他の部屋からの音ですが、コンパートメント自体は基本的に静かです。
ただ、どうしても子どもが廊下を走る音や、走行中の振動は伝わってきます。
「完全に無音」ではありませんが、どちらかと言えば過ごしやすい環境でした。
実際に乗ってわかった「良かった点・残念だった点」


実際に乗車してみて感じたメリットとデメリットを正直にまとめます。
良かった点
実際に泊まってみて、特に「ここが良かった!」と感じたポイントをまとめました。
- トイレ付き個室による圧倒的な安心感
- 安定したWi-Fi環境
- 清潔な室内
特に「トイレ付き個室」は選んで大正解でした。
夜中にパジャマ姿で廊下に出る必要がなく、朝まで自分たちだけの空間でリラックスできたのは、長旅において精神的にとても楽でした。
また、本来シャワーとして使うスペースを「荷物置き場」として活用できたのも大きなポイントです。
おかげでスーツケースが邪魔にならず足元のスペースもしっかり確保でき、狭さを感じることなく快適に過ごせました。


少し料金は上がりますが、それに見合う価値は十分にあったと思います。
Wi-Fiも動画が見られるほど安定していたので、移動中も快適。
以前イタリアで寝台列車に乗った時は少し埃っぽさが気になったのですが今回はそんなこともなく、掃除が行き届いていて快適でした。
「列車ごと海を渡る」という体験ができたイタリアの寝台列車もロマンチックで素敵でしたが、清潔感に関してはフィンランドに軍配が上がるかもしれません。
「イタリアの寝台列車 乗車記」はこちらをご覧ください!


残念だった点
一方で、少し気になった点や注意が必要だと感じたのは以下の点です。
- 雪解け水による床の濡れ
- スーツケースを広げられない狭さ
- 廊下の話し声や停車時の振動
特に注意が必要なのが「床の濡れ」です。
雪道を歩いてから乗車するため、靴の裏には雪がびっしりついています。
暖かい部屋に入るとその雪が一気に溶け出し、床が水浸しに。
案外すぐに乾くのですが、それまでの間はビーチサンダルがあると便利でした。
また、部屋はコンパクトなのでスーツケースを広げるスペースは正直ありません。


乗車してから荷物を整理するのは大変なので、パジャマや歯ブラシなど「車内で使うもの」は、あらかじめ手持ちのバッグに出しておくのがおすすめ。
音については「完全防音」というわけにはいきません。
あくまで列車なので、音に敏感な方は耳栓を用意しておくと安心です。
サンタクロース・エキスプレスの予約と座席・料金について


これからサンタクロース・エキスプレスの利用を検討されている方に向けて、予約前に知っておきたい基本情報をまとめました。
海外の鉄道予約は座席の種類やシステムが少し分かりにくい部分もあるので、ぜひ旅の計画に役立ててください。
今回乗車したサンタクロース・エキスプレスの基本データ
まずは、私たちが実際に利用した列車のスケジュールとスペックをご紹介します。
- 列車名:Santa Claus Express IC 266
- 乗車区間: ロヴァニエミ → ヘルシンキ中央駅
- 乗車時間:17:52 → 6:27
- 予約した部屋:シャワー付き個室寝台(2階)
夕方までたっぷりロヴァニエミで遊び、寝ている間に移動して、翌朝一番からヘルシンキ観光をスタートできるのがこの便の魅力。
まさに「時間を有効に使いたい旅行者」にはうってつけの、非常に効率的なスケジュールでした。
座席の種類は大きく3タイプ
サンタクロース・エクスプレスの座席(客室)は、快適さと設備の違いによって大きく3タイプに分かれています。
- シャワー付き個室寝台(2階)
- シャワーなし個室寝台(1階)
- 座席(オープンサロン)
おすすめはシャワー付き個室寝台ですが、費用を抑えたい方はシャワーなし個室寝台を選んでもいいかも。


座席タイプは、ゆっくりできないので正直おすすめはしません。
ヘルシンキに着いたら、朝からすぐに観光が始まります。



数千円を節約して翌日ヘトヘトになるよりは、寝台でしっかり睡眠をとって体力を温存するのがおすすめ。
万全の体調で朝から活動できることこそが、結果的に一番「コスパの良い」旅の楽しみ方だといえるでしょう。
ひとり旅の方への情報
現在のフィンランド国鉄(VR)では、寝台キャビンを「1室単位」で販売しています。
そのため、1人旅でも部屋を貸切にでき、他人と同室になることはありません。
以前は「2人部屋の寝台キャビンを1ベッドだけ予約」でき、他の同性と相部屋になるケースもあったようです。
ただし、料金は1室あたりで設定されているため、1人利用の場合は2人で使うより割高になります。
料金の目安
公式サイト等では「座席 €30〜」「寝台 €49〜」といった最低価格が表示されていますが、これはあくまで早期予約やオフシーズンの価格です。
冬のハイシーズン(12月〜3月)や、直前の予約になると価格は変動します。
実際には、個室寝台で €150〜€200前後(1室あたり)になることも珍しくありません。
決して安くはありませんが、「ホテル代 + 移動費」がセットになっていると考えれば、コスト以上の価値は十分にあると感じました。



人気路線なので、旅程が決まったらできるだけ早めに予約しましょう。
フィンランド国鉄(VR)の夜行列車は、出発の約10か月前から予約が可能です。
以下のサイトなら、日本語で予約できます。ぜひ、チェックしてみてくださいね。
サンタクロース・エクスプレス 鉄道チケット事前予約サービス 夜行列車でロヴァニエミからヘルシンキへ直行!<ロヴァニエミ発ヘルシンキ着>-ベルトラ予約サンタクロース・エキスプレスは旅情あふれる動くホテル!


ロヴァニエミからヘルシンキへの移動は飛行機なら一瞬です。
しかし、サンタクロース・エキスプレスには「雪国を旅している」という情緒と「動く秘密基地」のようなワクワク感がありました。
特に今回利用した「シャワー付き個室」は、まさに最強の選択肢でした。
荷物置き場として部屋を広く使えるだけでなく、何より「心の余裕を買う」ことができたからです。
これから乗車される方は、ぜひ非日常が味わえる素敵な列車の旅を楽しんでください!









