京都人は腹黒いと、よく言われます。
京都弁でいう「イケズ」と言うやつですね。
京都のおうちを訪ねて、ぶぶ漬けをすすめられたら「早よ帰れ!」という意味だとかいうウワサ・・・本当のところ、どうなのか気になりませんか?(^^)
こんにちは。
京都生まれ、京都育ちのKONOKAです。
京都人が持たれがちなイメージ「陰湿、いじわる、腹黒い」
・・・ネガティブワードばっかりで、ちょっと悲しくなってしまいます(><)
今回は、「京都人はほんとうにイケズなのか」について、詳しくお話しします。
京都人の本音を書くので、京都人の皆さんからはヒンシュクを買ってしまいそう・・・(^^;)
でも実は、ちょっとした誤解が原因かもしれません。
この記事を読んでもらった後、少しでも京都のイメージが良くなりますように!
では、さっそく京都人の心理をのぞいてみましょう!
本当にぶぶ漬け(お茶漬け)は出てくるの?
京都人の腹黒さを表すときによく使われる、「ぶぶ漬けでもどうどすか?」というキーワード。
ぶぶ漬けをすすめられる=「早よ帰れ!」と言う意味だとして、よく知られていますよね。
本当に、ぶぶ漬けをすすめられることはあるのでしょうか?
・・・おそらく、ありません。
なぜなら、ぶぶ漬けをすすめることが、直接的に「早く帰れ」の合図ではないから。そして、京都人もこの「ぶぶ漬けエピソード」を知っているから。
さすがの京都人でも、そんなにわかりやすいイケズはしません(^^;)
でも、お茶くらいだったら、日常的にすすめられることがあると思います。
こんなとき、お茶をいただいて行くか、お断りして立ち去るか・・・
え?せっかくすすめてもらったんだから、素直に飲んじゃだめなの?
その判断は、お茶をすすめてくれた人と、あなたの関係性によります。
これが、京都人のわかりにくいところ(^^;)
大丈夫です、このあたりの京都人の心理を今から解説しますから!
プライドの高い京都人
「ぶぶ漬けエピソード」の真意を紐解くには、京都人の性格を知る必要があります。
京都人の性格を一言で言うなら「プライドが高い」
京都人は、京都が日本の中心地であるということに疑いを持っていませんし、そこに住んでいるということに誇りを持っています。
天皇さんは、今ちょっと東京に行ったはるだけやし
いろんなとこに小京都ってあるけど、しょせんは京都のマネやろ?
昔から続く、日本の歴史と文化の中心地、それが「京都」であり、そこに住んでいる選ばれし市民が「京都人」なんです。
これだけ聞くと、「いったい何さまのつもり?やっぱり京都人て感じ悪い!」と思っちゃいますよね。
・・・お高くとまっている、この感じ。
そう思われても仕方ないと思います・・・(^^;) だって、「京都人」なんですもの!
京都人の思う「京都」
京都人が「京都」と言っているのは、だいたい京都市内のことです。
さらに細かく言えば、京都の中心地である、中京区・下京区・上京区あたりを中心に考えているフシがあります。
京都人お得意の質問「どこから来はったん?」の答えに対する、京都人の反応をみてみましょう。
- 京都市(中心地以外の区)の場合
えらい遠いとこから、わざわざ!
- 京都市以外の京都に近い市(宇治・城陽など)の場合
いやあ、そうどすか!(京都市内やないんか)
- 京都市から遠い市(舞鶴など)の場合
ああ、海のあるところやね!(京都に海はありまへん)
京都中心部以外に住んでいる京都人は、このニュアンスに気づいてしまうので、「京都の中心に住んでる人たち、感じ悪っ!」って思ったりすることもあります。
逆に、京都人を知らない人たちからすると「そうなんですよ〜!」って、なにも気づかないかもしれません。
会社に勤めていた頃、〇〇県人会みたいなのをよく見かけました。
同じ出身地の人同士集まって、意見交換したり、結束を深める会ですね。
京都出身者には、そういうのがないんですよね。
理由は、京都の中でも住んでいる場所によって、それぞれにプライドがあるからです(^^;)
いったい「京都人」とはなんなのか
京都の中心地に住んでいる人たちが「京都人」というのは、先ほどお話しした通りです。
しかし、さらに京都人として認められるには、三代に渡って京都に住んでいる必要があると言われています。
私の父は京都生まれの京都育ちです。そして父の両親の出身は、岐阜と京都です。
父は京都の歴史を研究している学者ですが、「自分の父が岐阜出身で、正式には自分が京都人だとはいえない」ということを、なんとなく後ろめたく思っていたそうですよ。
つまり、最低でもおじいちゃん・おばあちゃんの世代から京都に住み続けていなければ、まだまだ新参者ってことですね(^^;)
京都人の本音と建前
京都には、本音と建前を使い分ける文化があります。
近頃、インターネットで「京都弁」を検索すると、「裏の意味に注意!」といった記事を多く見かけますが、それは本当の意味ではないかもしれません。
なぜなら、全部が裏の意味ではないからです。
全部裏の意味で理解しながら生活しようもんなら、疑心暗鬼になっちゃいます(^^;)
たとえば、京都ではお出かけするときに近所の人に会うと「どこ、いかはるのん?」と聞かれることがあります。
これは、京都人特有の社交辞令のあいさつなので、「〇〇まで行くんです〜」とか、詳しく説明する必要はありません。
そして「なんか、いろいろ詮索されて嫌だなぁ。」とか「どこ行くのも私の勝手でしょ!」とか「何か裏があるのでは?」とか思う必要もまったくありません。
「どこいかはるのん?」の質問に対するこたえは、「ちょっとそこまで〜」です(^^)
それが、京都人流ご近所コミュニケーションです♪
陰口は京都人の日常
文句を言うときは、なるべく相手を傷つけないように、遠回しに触れて「察してもらう」
言われた方は角を立てずに、相手の言わんとすることを「察する」
それが京都で言われる、本音と建前の文化です。
しかし、「察してもらおう」という意識が強すぎるあまり、察してもらえないとストレスがたまりますよね。
そのストレスは「陰口」という形で発散されることになります。つまり、この京都人の陰口こそが「京都人の本音」です。
普段表に出てこない本音を話してもらえるようになったなら、それはかなり親密な仲ということになるでしょう。
「こういう裏の意味があるんだ」って思うから、「京都人て怖い!」と思うんですよね(^^;)
あまり、深い意味を探ろうとしないこと。
これが、京都で暮らす上で大切な心得かもしれません。
京都人の心の距離感
はんなりした京都弁は、親しみやすく、優しい印象ですよね。
ニコニコしながら「まぁ、お茶でも飲んでいかはったら?」なんて言われたら、「わぁ、なんて親切!」と感動してしまいそうですが、その雰囲気にだまされてはいけません(^^;)
京都人は、ほかの地域の人たちに比べて、人との心の距離をとっています。
本当に仲良くなるまで、なかなかその距離は縮まりません。想像以上に、時間がかかると思ってください(^^;)
京都人は、その心の距離感を大切にしているので、その自分のスペースにグイグイ踏み込んでこられるのが苦手です。
にこやかに対応しておきながら、対応が終わった後に「なんえ(なんなの)、あの人!やっぱり京都の人とちゃうんやわ。」というような陰口になっちゃうんですね。
まぁ、踏み込ませるような言動をしているのは自分なんですけど(^^;)
そこは、京都人の「察し」の文化と、それを理解して当然と考える京都人のプライドの高いところです。
京都人「ぶぶ漬け問題」の真意
ここで最初にお話しした、「お茶をすすめられた場合」について、もう一度見てみることにしましょう。
お茶をすすめられて、その誘いに乗るか否かは、その人との心の距離感というお話でした。
つまり、そんな仲良くない人にお茶をすすめているときは「そろそろこれを機に、切り上げてほしいな」と思っている可能性があるということですね。
「最初からお茶を出す気がないのなら、すすめなきゃいいのに」って思いますよね?
私もそう思います(^^;)
でも、それが京都人の「気遣い」であり、本音と建前の「建前」なんです。
だから、言われた方はそれを「察し」なければいけません。
反対に、本当に親しい人だったら「もっとゆっくりしていって!」と本心で言っているということになります。
いつ、どのタイミングで「本音」と取っていいのか・・・
それは感覚の問題なので、なんとも言えません。
【まとめ】京都は「本音と建前」文化が息づいている
京都人の心理について、いろいろとお話ししてきましたが、もちろん、京都に住む人がすべてこれに当てはまるわけではありません。
そして、はたから「いけず」と思われる言動も、実は京都人にとっては日常で、悪気がないことも多いのです。
ですから京都人と関わるときに、何でもかんでも裏の意味で理解しようというのは、間違いです。
京都人と付き合う時のポイントをまとめてみました。
- 最初からあまり親しくなりすぎない(一定の距離を保つ)
- 陰口は気にしない(京都人の日常なので)
- 京都人の言動の、裏の意味を考えすぎない
- 表面上は、にこやかに対応。本音は言わない
- あいさつはしっかりと
京都人と仲良くなるには、「時間」が必要です。ゆっくり時間をかけて、仲良くなってくださいね。
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