みなさんは、京都旅行をどのように楽しんでいますか?
多くの方は、あらかじめ京都の中で行きたい場所をいくつか決め、目的の場所で観光をし、急いで次の場所に移動する・・・というようなことをされているのではないでしょうか。
「もっと京都人っぽく京都を楽しみたい」
「ゆっくりお散歩しながら、京都の良さを感じたい」
本当の京都を知るには、京都の街歩きをするのが一番!
なぜなら京都の文化は、京都の人々が住んでいる場所に根付いているからです。
今回は、そんな「なんども京都観光をした、京都旅行上級者」の皆さまに、新しい視点での京都の街歩きについて、ご提案しますね!
この記事を読めば、京都での新しい過ごし方が見えてきますよ。
こんにちは。
京都生まれ、京都育ちのKONOKAです。
観光地から次の目的地への移動は、バスや電車ではなく、徒歩がオススメ。
「え〜、歩くのしんどいし、観光時間で予定はいっぱいだし、移動の時間はなるべく短縮したい!」
そんな声が聞こえてきそうですね。
でも、京都の街歩きポイントを知ると、京都の街歩きがとっても楽しくなりますよ♪
ずっと京都にいる私でも、いまだに街歩きをすると、新しい発見があって、ワクワクします!
京都の街並みを楽しみながら、京都の文化を知る
京都の街並みには、京都人の文化が随所に見られます。
これからお話しする注目ポイントをチェックしながら街歩きをすれば、京都の文化にも触れられることになり、ますます京都旅が興味深いものになりますよ!
京都の街をお散歩する際に、ぜひチェックしてほしいポイントは次の通りです。
- お家の守り神「鍾馗さん」
- 京都には町内ごとにお地蔵さんがいる
- 玄関先の厄除けちまきは、祇園祭でGET
- 町の床屋さんは道の角にある
- 家の前に「いけず石」
あなたはどれくらいご存知ですか?
一つずつ、詳しくチェックしていきましょう!
お家の守り神「鍾馗(しょうき)さん」を探せ!
「鍾馗さん」をご存知ですか?
京都のおうちの屋根の上に乗っている、瓦でできた小さなお人形、それが鍾馗さんです。
沖縄の屋根にいる、シーサーみたいな感じでしょうか。
鍾馗さんは、お家の中に悪いもの(疫病や邪気、悪霊など)が入ってくるのを防いでくれる、お家の守り神です。
京都の街を歩いていると、いろんなところで鍾馗さんに出会えます!
鍾馗さんの大きさはさまざま。そして、いろんなタイプがあるんですよ。
- ゴールドな金ピカ鍾馗さん
- ガスメーターに乗っている鍾馗さん
- 屋根付きのお部屋にいる鍾馗さん
- 宙に浮いている鍾馗さん
街歩きをしながら、あちらこちらのユニークな鍾馗さんを探してみませんか?
通りをはさんでお向かい同士に鍾馗さんがいる場合、鍾馗さん同士がにらみ合わないように、お互いの鍾馗さんの視線を少しずらして設置されているんですよ。
鍾馗さんってだれ?
鍾馗さんは、中国に伝わる道教系の神様で、魔物を払うという伝説の人物です。
なぜ、京都のお家の鍾馗さんが屋根の上に乗るようになったのか。
これには、こんな物語があるといわれています。
京都の三条に薬屋が新しく店を構えて、大きくて立派な鬼瓦を葺きました。
するとお向かいの奥さんが、原因不明の病に倒れてしまいます。
病を治そうと原因を探ると、薬屋の立派な鬼瓦により跳ね返った悪いものが向かいの家に入ってしまうからだとわかりました。
そこで、鬼より強い鍾馗(しょうき)さんを作らせ、魔除け・厄除けに据えたところ、奥さんの病が完治したのだそうです。
京都人は新しいもの好きで、はやりもの好き。
「お?あっちの家の屋根に、いいもんが乗ってるぞ?うちも取り入れよう!」ってな感じで、屋根の上の鍾馗さんが広まったのかも知れません。
京都には町内ごとにお地蔵さんがいる
さて、鍾馗さんの次は、「お地蔵さん」
京都の街中は、至るところにお地蔵さんがいらっしゃいます。
お地蔵さんのほこらは、どれだけあると思いますか?
・・・数えたことはないのですが、おそらく市内のコンビニの数よりは多いですよ!
なぜなら、京都のお地蔵さんは基本的に、町内ごとにいるからです!
京都の街中には、お地蔵さんだけでなく、大日(だいにち)さんがいる場合もあります。
大日さんとは、大日如来のこと。
お地蔵さんより数は少ないですが、お地蔵さんと一緒におまつりされていることもあれば、大日さんだけでおまつりされている場合もあります。
京都の大人たちは、子どもにお地蔵さんのことを「まんまんさん(ちゃん)」、手を合わせて拝むことを「あん」と教えます。(いわゆる、幼児語ですね!)
私も小さい頃は、よくお地蔵さんの前で「あん」していました。
さすがに大きくなってからは、「まんまんさん、あん」と、手を合わせて拝むことはなくなりましたが、お地蔵さんの前を通るときは、今でも心の中で「あん」と唱えています。
子どもたちの夏のお楽しみ「地蔵盆」
京都の子どもたちにとって、年に一度のお楽しみ、それが「地蔵盆」です♪
地蔵盆とは、町内ごとに行われる、お楽しみ会のようなもの。
だいたい、8月24日前後に行われています。
(ちなみに、大日さんをお祭りしている場合は、28日前後に大日盆が行われます。)
地蔵盆で何をやるのかは、町内ごとにまちまちですが、私の町内を一例にご紹介しますね。
地蔵盆で行われることの一例
- 金魚すくい
- ヨーヨー釣り
- 輪投げ大会
- 当てもの(福引き)
- 数珠回し
- 花火大会
- プール
お菓子をもらって、みんなで集まって、ワイワイガヤガヤ・・・
それが地蔵盆です!
ちなみに、「数珠回し」って気になりませんか?
数珠回しは、長〜いお数珠(3mくらい?)のまわりに、みんなで輪になって座り、お念仏に合わせて数珠を回す、ちょっと不思議なイベントです。
最近は、町内にお地蔵さんを祀っていないところも増えてきました。
お地蔵さんを祀っていない町内は、地蔵盆の時期に、京都の壬生寺にお地蔵さんを借りに行くこともあるんですよ!
玄関先の厄除けちまきは、祇園祭でGET
京都の家の軒先に、ちまきが飾られているのを見たことはありますか?
これは「厄除けちまき」といわれるもので、毎年祇園祭でいただいてくる、厄除けです。
祇園祭には、山と鉾が合計34基立ち並び、その一つひとつの町内ごとにちまきが作られます。
そのため、ちまきのデザインは山鉾ごとに違うんですよ!
どこの山鉾のちまきを飾るかは、各家庭の目的やご利益、ごひいきなどによります。
最近は、若い女性に鯉山のちまきが人気らしいですよ♪(鯉山=恋ってことで、恋愛成就)
ちなみに我が家は、ごひいきの「橋弁慶山」のちまきを飾っています。
今と昔のちまき
昔は、鉾から投げられるちまきをGETするのが主流でした。
「こっち投げて〜」「ちまき、ちょうだ〜い!」そんな声が、あちらこちらで聞かれたものです。
しかし、観光客の増加や、その他諸々の理由があって、基本的に鉾からちまきを投げることは禁止になりました。
でも、場所によって(ごひいきさんの家の前とか)、こっそり投げている場面に出くわすこともありますけどね。
町の床屋さんは道の角にある
京都の街歩き中、「床屋」に注目してみてください。
いわゆる、京都の男衆が利用する「散髪屋さん」です。
なぜか、道の角っこエリアに、ひっそりと建っていることが多いんです!
しかも、結構小さい!!
なぜ道の角に散髪屋さんが多いのか。
この理由は、江戸時代にまでさかのぼります。
江戸時代の京都では、小さな町単位で人々が暮らしていました。
四つ辻の角には木戸があり、夜間はその木戸を占めていたのですが、その木戸番を兼ねていたのが「床屋」なんです。
また散髪屋さんは、お客様同士の情報交換の場所でもあったんですね。
だから、今でも京都の男衆は、馴染みの散髪屋さんに通っているのだとか。
そんな歴史と名残をもつ、京都の散髪屋さん。
京都の街歩きの際は、ちょっと探してみてくださいね。
私の父も、小さい頃から決まった散髪屋さんに通っています。
その外観は、お世辞にも「おしゃれ!」とはいえませんが、古い趣のある「昔ながらの」散髪屋さん。
ここに集まるお客さんたちも、やっぱりみんな昔からこの店をひいきにしている人が多いようです。
お店のお客さんとの会話から、仕事の仲介を受けることもあったりするんですよ。
まさに、コミュニティスペースですよね!
家の前に「いけず石」
京都の街を歩いていると、敷地内に大きめの石を置いている家があります。
この石は、「いけず石」と呼ばれているものです。
決して、漬物石ではありません。
「いけず」というのは京都弁で、「意地悪」という意味ですね。
京都は道が狭く、車の往来には適していないのですが、ムリやり通行する車に「自分の家を傷つけられたら大変!!」というわけで、自分の家を守るために、敷地内に石が置かれているんです。
車で通る人からすれば「見にくい場所に、ジャマな石なんか置いて!ほんと、いけず(意地悪)やなぁ!」というわけですね。
このいけず石、サイズも形もまちまち。
「あ、こんなところにも!」という、思いがけないところにも置いてあったりしますよ!
まとめ
京都の街歩きで注目すべきポイント、いかがでしたか?
最後に、注目ポイントを簡単にまとめておきますね。
- 屋根の上の鍾馗さん
- 町内ごとのお地蔵さん
- 軒先の厄除けちまき
- 町角にある床屋さん
- 敷地内のいけず石
今度京都の街をお散歩する時は、これらに注意してみてください。
きっと、今までとは一味違った京都散歩が楽しめますよ。
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